IEA、36カ国加盟の気候クラブ発足 重工業における脱炭素化を支援

12月1日、36カ国は、重工業の脱炭素化加速に向けハイレベルフォーラム「気候クラブ」を発足させた。国際エネルギー機関(IEA)は、経済協力開発機構(OECD)とともに、暫定事務局として本フォーラムを支援している。

IEAは、産業部門別技術ロードマップの作成、産業脱炭素化アジェンダの下でのG7各国政府への助言、そして最近設立された産業脱炭素化ワーキング・パーティーを通じて、産業排出削減の分野で長年にわたり加盟国を支援してきた。

気候クラブは、パリ協定の目標達成と実施を支援するための、気候変動に前向きな国々によるオープンで協力的かつ包括的なフォーラムである。特に産業の脱炭素化に重点を置き、気候変動対策を加速させ、今世紀半ば頃までに世界全体で温室効果ガス(GHG)排出量ネット・ゼロを達成するための野心を高めるための支援を目的としている。COP28国連気候変動会議では、気候クラブ加盟国の首脳や閣僚がドバイに集まり、2024年に向けた共同作業計画を策定する。

2022年、産業部門は9ギガトン(Gt)の直接CO2排出に関与しており、エネルギー関連排出と産業プロセス排出の両方を含むエネルギーシステム全体のCO2排出の4分の1を占めている。電力や輸入熱源からの間接的な排出を含めると、これは約16Gt-CO2となり、エネルギーシステム全体の排出量の約45%を占める。鉄鋼、セメント、化学の3つの産業部門が、産業からの直接CO2排出量の約70%を占めている。

2013年以降、産業界からの直接排出量はほぼ横ばいで推移しているが、IEAの「2050年までのネット・ゼロ・エミッション・シナリオ(NZEシナリオ)」に合わせるためには、2030年までに約7GtCO2(年平均で約3%)まで削減する必要がある。

【参照ページ】
(原文)IEA supports faster industrial decarbonisation through new Climate Club
(日本語参考訳)IEA、36カ国加盟の気候クラブ発足 重工業における脱炭素化を支援

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る