ミュンヘン再保険、ネット・ゼロ保険提携から撤退

ミュンヘン再保険、ネット・ゼロ保険提携から撤退

3月31日、欧州最大級の保険会社であり、世界最大の再保険会社であるミュンヘン再保険は、独禁法上のリスクを理由に、ネット・ゼロ保険アライアンス(NZIA)への加盟を中止することを発表した。

NZIAは、保険会社が保険引受やリスク管理を通じて温室効果ガス(GHG)排出量のネット・ゼロへの移行を加速させることを目的に、2021年にミュンヘン再保険を創立メンバーとして設立された。署名者は、引受基準やガイドライン、顧客とのエンゲージメント、低排出ガス・ゼロエミッション技術や自然ベースのソリューションに関する保険ソリューションの開発などの分野を通じて、2050年までに保険や再保険の引受ポートフォリオを温室効果ガス(GHG)排出量ネット・ゼロに移行することを約束する。

NZIAは、国連が支援する気候変動に焦点を当てた数兆ドル規模の金融機関連合であるGlasgow Financial Alliance for Net Zero(GFANZ)の一員でもあり、Net Zero Asset Managers initiative(NZAM)、Net Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)、Net Zero Banking Alliance(NZBA)、Net Zero Financial Service Providers Alliance(NZFSPA)、Net Zero Investment Consultants Initiative (NZICI) およびパリ協定資産家協会 (PAAO) からなる。

今回の発表は、2022年12月に投資大手Vanguardがネット・ゼロ・アセット・マネージャー・イニシアティブから離脱したのに続き、GFANZのアライアンスから注目される2番目の離脱となる。

【関連記事】Vanguard、NZAM構想から脱退

アライアンスを離脱したものの、ミュンヘン再保険は、投資ポートフォリオに関連するGHG排出量を2025年末までに29%削減し、2050年までにネット・ゼロとすること、2050年までに関連するネットGHG排出がないように気候変動に関連する石油・ガス産業のエクスポージャーを削減し、2030年までに事業におけるネット・ゼロのGHG排出を達成することなど、気候目標を改めて表明した。10月には、同社の脱炭素化目標をサポートする一連の新ガイドラインの一環として、新規の石油・ガスプロジェクトに対する保険加入や投資の提供を行わないことを発表した。

【参照ページ】
(原文)Munich Re quits Net-Zero Insurance Alliance
(日本語訳)ミュンヘン再保険、「ネット・ゼロ保険アライアンス」を脱退

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