4月28日、米国下院は、バイデン大統領が導入した、東南アジアからのソーラーパネル部品の無税輸入を認める規則の廃止を決議した。国内のソーラーメーカーがクリーンエネルギーの需要増に対応するために生産を拡大できるようにすることを目的としている。
バイデン大統領は、本決議案が議会で可決された場合、拒否権を行使することを約束している。
今回の投票は、バイデン政権が昨年発表した、米国内でのソーラーパネルの継続的な生産と展開を確保し、長期的な国内ソーラー製造能力の開発に拍車をかけることを目的とした一連の動きに続くものである。この措置には、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムからの太陽電池モジュール輸入に対する2年間の関税徴収停止が含まれる。これは、中国がこれらの国々を違法に経由して製品を輸入していないかどうかについて商務省が調査し、関税を課す可能性があったため、ソーラーパネル普及の継続を阻害する恐れがある短期的重要課題の1つを解決するためである。
東南アジア諸国は現在、輸入太陽電池モジュールの約4分の3を占め、米国における太陽電池モジュール設置の大部分を占めている。
規則の不承認と関税の再開を求める超党派の決議案は、ビル・ポージー議員が提案し、共和党員8人が反対したものの、民主党員12人の支持を含む221-202票で承認された。
クリーンエネルギーへの移行はバイデン政権にとって大きな焦点となっており、就任直後から気候変動に焦点を当てた一連の行政措置を発表し、その後、洋上風力発電容量の大幅な増強、ゼロエミッション車への移行を義務付ける動き、超党派インフラ法・インフレ抑制法によるエネルギー移行に焦点を当てた活動への数十億ドルの割り当てを行った。
採決に先立ち、ホワイトハウスは決議案に反対する声明を発表し、ソーラーパネルメーカーが設備投資を行い、太陽電池とモジュールの自社生産を増強する時間を提供するために関税の一時的な緩和が必要だと主張し、決議案は “ソーラーサプライチェーンとソーラー設置市場における雇用と投資に対して深い不確実性をもたらす” と述べる。
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(参考記事)House votes to restore solar panel tariffs, Biden vows to veto bill if it passes Senate