ADM、ブラジルでリジェネラティブ農業プログラムを開始

11月21日、穀物世界大手米アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、ブラジルにおけるプログラムの開始により、世界的なリジェネラティブ農業への取り組みを拡大することを発表した。本プログラムは、土壌の健全性、生物多様性の保護、土壌の肥沃度と回復力の向上、農場の生産性向上に焦点を当て、持続可能な農業生産を促進・支援することを目的としている。プログラムの初期段階では、ADMは以下3つの実践に焦点を当てる。

  • 肥料の利用効率と生物学的投入物の利用拡大:化学的投入物の削減、従来の窒素製品をより技術的な代替品に置き換えることで、植え付け時の炭素排出量を削減し、土壌の健全性の改善による生産性の向上を実現する
  • 不耕起栽培:現場で広く使われている慣行の改良と強化のための技術支援ガイダンスを提供する
  • 覆土/被覆作物:土壌の健全性を向上させるため、特に農閑期に覆土作物を混植し、吸水性、構造、生物多様性、土壌肥沃度に好影響を与える

本プログラムは、ミナス・ジェライス州(ウベルランディア地域)とマト・グロッソ・ド・スル州(カンポ・グランデ地域)の2万ヘクタール(約5万エーカー)に及ぶ20の大豆農家が参加し、カーボンフットプリントの算出を含め、現在の慣行とその影響に関する情報を収集するパイロットを通じて開始される。

パイロットに参加する農家は、技術支援、研修、土壌有機物と炭素貯留量の測定を受ける。パイロット試験における温室効果ガス(GHG)排出量の計算はすべてバイエルがエンブラパと共同で設計・開発した、地域に特化し、圃場排出量、土地利用変化による排出量、圃場に投入される投入資材のカーボンフットプリント、輸送のカーボンフットプリントを定量化する計算機を用いて行われる。

GHG排出量計算のためのパイロット期間中の一次データ収集と、炭素隔離測定を伴う土壌分析により、ADM、バイエル、その他の参加者は、現在の環境への影響と潜在的な削減機会について貴重な洞察を得ることが可能となる。

【参照ページ】
(原文)ADM Expands Support for Sustainability, Food Security with Launch of Regenerative Agriculture Program in Brazil
(日本語参考訳)ADM、ブラジルでリジェネラティブ農業プログラムを開始

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