3月6日、テック大手のIBMは、テクノロジーに特化した気候適応ソリューションを通じて都市の回復力を高めることを目的とした新たなイニシアティブの一環として、同社の社会的インパクト・プログラムであるIBMサステナビリティ・アクセラレーターに4,500万ドル(約65億円)を投資する新たなコミットメントを発表した。
2022年に設立されたIBMのサステナビリティ・アクセラレーターは、IBMのテクノロジーと専門知識を応用して非営利団体や政府のイニシアティブを拡大し、脆弱な人々が環境問題に対処できるよう支援することを目的としたソリューションを開発する。本プログラムはこれまでに、持続可能な農業、クリーンエネルギー、水管理などの分野に焦点を当てた3つのコホートで、世界各地で15のプロジェクトを支援してきた。
今度のコホートでは、国連のSDG11「持続可能な都市とコミュニティ」に沿って、都市のレジリエンシーを促進するソリューションのための新たな提案依頼書(RFP)を発行したとIBMは発表した。IBMによると、新しいRFPは、気候変動や異常気象によって悪化する可能性のある環境悪化や不十分な都市インフラなど、都市化が急速に進む中で都市が直面している課題に取り組むプロジェクトを支援することを目的としている。
新しいRFPが対象とするプロジェクト分野の例としては、AI基盤モデルや地理空間分析、自然・建築インフラへの影響を予測するための気象・気候予測、公共サービスの資産管理などが挙げられる。4,500万ドル(約65億円)は、IBMが5年間にわたって現金と技術・サービスの現物支給で寄付する。申請者の選考基準には、都市環境の脅威に脆弱なコミュニティへの支援レベル、気候変動緩和のための技術ソリューション案の実現可能性とサステナビリティ、測定と報告に関する透明性などが含まれる。
IBMは、新たなコミットメントとRFPに加え、サステナビリティ・アクセラレーター・プログラムにおいて、グローバルなプロフェッショナル・サービス企業であるEYとの新たな戦略的協力関係を開始することを発表した。EYは、RFPの選考プロセスにおけるサポート、組織開発コーチング、能力開発ワークショップを通じて、レジリエント・シティ・コホートに貢献する。
【参照ページ】
(原文)IBM Commits Up To $45M to Climate Adaptation, Starting With New RFP for Resilient Cities
(日本語参考訳)IBM、気候適応に焦点を当てた社会的インパクト・プログラムに65億円を投資