SKGCとLoop、再生プラスチック製造で合弁会社設立へ

5月2日、韓国の大手財閥SKグループ傘下の化学メーカーSK Geo Centric(SKGC)は、米再生プラスチック開発Loop Industries(Loop)と再生プラスチックの製造で、シンガポールに合弁会社を設立すると発表した。Loopの技術を複数の商業生産施設を通じてアジア市場に展開するための正式なジョイントベンチャー契約(JVA)を締結した。

SKGCは、シンガポールに本社を置く合弁会社の51%を所有し、Loopは残りの49%を所有する。JVAに基づき、合弁会社はLoopの技術をアジア市場で所定の期間独占的に商業化する権利を有し、Loopは商業プラントごとに年間ロイヤリティを支払うことで技術をライセンスする。

両社は韓国・蔚山市にプラスチック廃棄物をポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエステルにケミカルリサイクルする一貫プラント「Infinite Loop」の共同建設を進めており、2023年に着工、2025年末の竣工が見込まれている。同プラントはパッケージおよびポリエステル繊維用途のLoop PET樹脂を年間7万トン供給する能力を持つ。さらに、両社は2030年までにアジア全域で最低3つの商業生産施設を追加で建設する計画を発表した。

Loopは、低価のPET樹脂やポリエステル繊維の廃棄物を100%リサイクルされたバージン品質のLoop PET樹脂に変換することで、有限な資源への依存を減らし、大気や水の汚染などの環境への影響を軽減できるとした。また、同社の技術をアジア市場で展開することで、同地域におけるPETの管理・製造方法に必要な変化をもたらし、再生PETの需要増に対応できると述べた。

今回のJVAの締結は、プラスチック廃棄物を削減し、真の循環型プラスチック経済を加速させるという両社のコミットメントにおける次のステップを示すものである。

【参照ページ】
(原文)LOOP INDUSTRIES AND SK GEO CENTRIC SIGN JOINT VENTURE AGREEMENT TO COMMERCIALIZE LOOP’S TECHNOLOGY IN THE ASIAN MARKET
(日本語訳)SKGC、アジア市場におけるループの技術の商業化に関する合弁契約を締結

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る