11月4日、米共和党の上院議員グループは、米国の大手法律事務所50社以上に書簡を送り、ESGの取り組みに関して顧客に提供するアドバイスについて警告し、議会で予定されているESG関連の独占禁止法違反の調査活動に備えて、顧客のESG実践に関する文書を保存するようアドバイスした。
共和党のトム・コットン上院議員(アーカンソー州)、マーシャ・ブラックバーン上院議員(テネシー州)、チャック・グラスリー上院議員(アイオワ州)、マイク・リー上院議員(ユタ州)、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)が送った本書簡では、「ESG運動は企業を武器にして、アメリカ人が投票所で決して支持しない方法で社会を再構築しようとする」ことが主張されている。
本書簡は、米国の共和党政治家による継続的な反ESG推進の最新の動きとなる。8月には、19人の検事総長が、投資運用会社のBlackRockが、反化石燃料とネット・ゼロの課題を追求する中で、財務収益重視とは一致しない「社会目的」に従って行動しているとする「混合動機」による非難書簡に署名している。フロリダ州では最近、2280億ドル(約33.4兆円)の年金基金に対して、ESGを考慮した運用を認めないという決議がなされ、テキサス州では、その強力なESGの信頼性とネット・ゼロ投資やアドボカシーへの支持から、年金基金からの売却を予定している基金のリストが公表されている。
本書簡では、「石炭、石油、ガスの供給を制限しようとする談合」があり、その結果、エネルギーコストが上昇し、「アメリカの敵対者に力を与える」ことが「特に懸念される」と指摘し、議会が「ESGの名の下に行われている制度的独占禁止法違反を監視するために、ますますその権限を使う」計画を企業側に警告している。
【参照ページ】
(原文)GOP senators open new front in war on ESG
(日本語訳)米共和党の上院議員がESGとの戦いに新たな戦線を開く