ペプシコと肥料会社Yara、脱炭素化を目指す長期的パートナーシップを締結

7月16日、PepsiCo Europe(ペプシコ欧州)とノルウェーに拠点を置く肥料会社のYaraは、食品バリューチェーンの脱炭素化を目指す長期的なパートナーシップ締結を発表した。このパートナーシップにより、ペプシコの農家はYaraから肥料、アドバイス、精密農業のためのデジタルツールを提供される。これにより、栄養利用効率の向上、収穫量の増加、作物のカーボンフットプリントの削減が可能となる。

Yaraは毎年最大165,000トンの肥料をペプシコに供給し、2030年までにペプシコ欧州における肥料の約25%がYaraからの提供となる予定である。これらの肥料は主にYara Climate Choice肥料と呼ばれるものであり、再生可能アンモニアや炭素捕捉・貯蔵(CCS)を使用して製造される低炭素アンモニアから生産される。また、天然ガスを使用し、触媒技術によりカーボンフットプリントが通常の肥料よりも約50%低い硝酸塩系ミネラル肥料も含まれる。

このパートナーシップにより、再生可能な農業慣行の採用が促進され、EUおよび英国全体で約1,000の農場、約128,000ヘクタールが対象となる。最初はペプシコにとって重要な作物であるジャガイモに焦点を当て、その後、オーツやトウモロコシなど他の作物にも拡大する予定である。ペプシコのヨーロッパにおけるジャガイモの平均カーボンフットプリントの半分は肥料生産および現場排出によるものであるため、この提携により排出量が大きく削減できると見込まれている。

この提携は、EUの気候変動目標に沿って、より持続可能な食糧システムを構築するという両社の共通の取り組みを強調するものである。同時に、農家の生活に悪影響を与えないよう、移行コストを通じて農家を支援する。 

【参照ページ】
(原文)PepsiCo Europe and Yara partner to decarbonize crop production
(日本語参考訳)ペプシコ・ヨーロッパとヤラが農作物の脱炭素化に向け提携

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-15

    ESGフロントライン:移行計画の“実行力”が企業価値を左右する時代へ

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-7-15

    ESRS開示項目66%削減案へEFRAGが草案公表。ダブルマテリアリティ評価も負担軽減

    7月、欧州のサステナビリティ報告基準を策定する欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、欧州サステ…
  3. ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025-7-11

    ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025年7月に公表されたSASBスタンダードの改訂案は、IFRS S2の産業別ガイダンスと連動す…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る