Vanguard、株主議決権行使の代理人投票のパイロットのデータを公開

9月17日、Vanguardは、2024年の株主議決権行使時期における「Investor Choice」代理人投票のパイロットデータを公開し、個人投資家のエンゲージメントや投票の傾向について詳細を発表した。この取り組みは、2023年初頭に開始されており、ファンドにおける個人投資家が重要な株主問題に対して自分の意思をどう反映したかを調べている。なお、パイロットの調査対象は、5つの株式インデックスファンドに拡大され、総資産は1000億ドルを超えている。

Vanguardのグローバル投資家ステュワードシップ部門の責任者であるジョン・ギャロウェイ氏は、「Investor Choiceは、特定のVanguardファンドにおいて個人投資家が投票に影響を与えるための強力で効果的な手段である。これにより、個人の投資ポートフォリオを自らの好みとより一致させ、長期的な財務目標達成の手助けができる」と述べている。

2024年の株主議決権行使時期では、約40,000人のVanguard投資家がこのパイロットに参加し、個人投資家の代理人投票への関心の高さが伺える結果となった。特に、Vanguard ESG U.S. Stock ETFの投資家は、全体平均の24.4%に対し、78.2%がサードパーティESGポリシーを選択した。一方、Vanguard Dividend Appreciation Index Fundの投資家は、33.4%が会社の取締役会に沿った投票ポリシーを選び、サードパーティESGポリシーの支持率は最も低い17.9%であった。また、Vanguardで直接ファンドに投資した参加者は、他の企業を通じて投資した参加者よりも2倍近くパイロットに参加する傾向があることが明らかとなった。

【参照ページ】
(原文)Vanguard Unveils Data from Investor Choice Proxy Voting Pilot
(日本語参考訳)バンガード社が投資家選択委任状投票パイロットのデータを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  2. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る