680以上の機関投資家、1万社以上の企業にCDPへの環境データ開示を呼びかけ
130兆ドル以上の資産を有する680以上の機関投資家を含む投資家グループは、1万社以上の企業に向け、CDPへの環境データ開示を要請した。
CDPは、気候変動・森林破壊・水の安全保障などの主要な環境サステナビリティ分野における組織のパフォーマンスを、投資家やその他のステークホルダーが測定・追跡できるよう、グローバルな環境情報開示システムを運営している。CDPのプラットフォームは、主要なカテゴリーごとに企業の年間スコアを提供し、そのデータはBloomberg、STOXX、Trucost、FTSE/Russell、MSCI、ISS ESGなどの情報サービスプロバイダーによって、投資リサーチ、商品、インデックス、格付けに活用されている。
本キャンペーンは、報告を求められる企業数の大幅な増加を意味し、特にCDPにまだ開示していない企業をターゲットにしている。今年は、昨年の約7,200社から10,400社がレターを受け取る予定だ。このうち3,300社以上が初めて報告の対象となり、昨年比で46%増となる。
CDPは、2025年までに世界で最も影響力のある企業の90%をカバーするためにデータリポジトリを拡大することを目指す。また環境問題の調査対象も拡大し、今年のアンケートでは生物多様性への影響に関する質問が含まれており、将来的には土地や海、廃棄物や食料などの問題を評価する予定である。
2021年、CDPを通じて環境データを報告した企業は13,000社を超え、前年から37%以上増加した。しかし、開示組織数が増加する一方で、昨年は4,000社近くが開示要請に応じなかったことをCDPは指摘している。また最近、CDPは多くの企業の報告に大きなギャップがあることを明らかにした。昨年評価した企業のうち、信頼できる排出削減目標を持つ企業は3分の1強に過ぎず、CDPの気候変動に焦点を当てた主要指標のすべてについて報告する企業は1%未満であった。
本キャンペーンに署名する金融機関のリストも急速に増えており、今年の書簡には新たに100社近くが署名している。署名者には、Allianz、Amundi、BlackRock、BNP Paribas、State Street、Vanguard、AXA 、CalPERSなど、著名な投資運用会社が名を連ねている。
【参照ページ】
(参考記事)Investors push 10,000 companies to disclose environmental data to CDP