中国全人代、2022年の政策方向性を発表。カーボンニュートラルとグローバル経済体制構築を推進

3月11日、中国の李克強国務院総理は第13期全国人民代表大会(全人代)第5回会議において2021年の行政報告と2022年の政策方向性を発表、3月12日に全文を公開した。

全人代は2022年の気候変動政策として、生態環境の改善とカーボンニュートラルに向けた開発の促進を表明。エネルギー消費量と二酸化炭素排出量の双方を抑制していく双控政策の推進や、鉄鋼・非鉄金属・石油化学・化学・建築材料などの産業における省エネおよび炭素削減の促進についても言及した。

生態環境の改善について、大気汚染物質や重要な河川、湖、湾の汚染管理や調整された地域統治を強化し、土壌汚染の防止と管理を促進していくことを表明した。また、山、川、森林、野原、湖、草、砂のシステム管理の調整や、生物多様性の保護、固形廃棄物や新たな汚染物質の処理の強化、ごみの分類・削減・リサイクルの促進も掲げた。

公共サービスについては、人々の生活を効果的に保護および改善し、社会的ガバナンスを強化および革新するため、教育の公平性と質の向上、医療および医療サービスの能力の向上、社会保障とサービスの強化、大衆の住宅ニーズ確保の継続、中核的な社会主義的価値観の育成などを示した。

エネルギー面では、石炭火力発電の高効率化や石炭使用量の削減を進めるとともに、太陽光発電や風力発電、揚水発電、バイオマスエネルギーなど、再生可能エネルギーへの転換を強化していくと示した。

対外的な経済関係では、中小の外国貿易企業の輸出信用保険の適用範囲の拡大、外国貿易の新しいフォーマットとモデルの開発加速、外国投資の奨励範囲の拡大、外国投資促進サービスを最適化など、外資の支援に注力することを表明した。また、パイロット自由貿易地域と海南自由貿易港の建設や、一帯一路によるグローバル経済体制構築も進めていく方針だ。

【参照ページ】
(原文)政府工作报告
(日本語訳)政府作業報告

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る