Deloitte、2022年版CxOサステナレポートを発表。気候変動への有意義な取り組みを進めている企業は少数

Deloitte、2022年版CxOサステナレポートを発表。気候変動への有意義な取り組みを進めている企業は少数

1月18日、Deloitteは2022年版CxOサステナビリティレポートを発表し、エグゼクティブを対象に気候変動に関する企業の認識、経験、行動を調査したグローバル調査の結果を公表した。企業経営者の間では気候変動に対する意識が著しく高まっており、ほとんどの企業が気候変動に対する行動を起こすようになってきているが、多くの企業はまだより有意義な取り組みを進めていない現状だという。

本報告書では、Deloitteと市場調査会社KS&Rが、世界21カ国において、売上高5億ドルから100億ドルを超える幅広い業種と企業規模の2,000人以上のCレベルエグゼクティブを対象に調査を実施した。この調査では、気候変動に対する懸念の度合いと、この問題に対処する能力に対する楽観的な見方という点で、経営者の態度が最近大きく変化していることが示された。調査回答者の79%が、世界が気候変動への対応の転換期にあることに同意しており、わずか8ヶ月前に実施された同様の調査では59%に過ぎなかったことから、大きく上昇が見られた。しかし、懸念が高まる一方で、88%の経営幹部が即時の行動によって気候変動の最悪の影響を抑えることができると考えている。

エグゼクティブの気候変動に対する懸念と行動は、経験と外部からの圧力の両方によって引き起こされているようだ。ほぼ全員(97%)が、自社はすでに気候変動による悪影響を被っていると回答しており、気候関連の事象によってビジネスモデルやサプライチェーンがますます混乱していると報告している。また、回答者のほとんどが、規制当局や政府(77%)、消費者や顧客(75%)、投資家(71%)、銀行や金融機関(55%)など、幅広いステークホルダーから気候に関する行動を起こすよう圧力を感じていると回答している。

Deloitteは、気候変動への配慮が企業文化に組み込まれ、シニアリーダーの賛同を反映していることを示す一連の「needle-moving actions」を特定し、これらのそれぞれが調査対象企業の半分以下しか採用されていないことに注目している。気候変動に配慮した新しい製品やサービスを開発していると答えた役員は49%、サプライヤーやビジネスパートナーに持続可能性の基準を満たすよう求めているのは46%、気候変動への耐性を高めるために施設の更新や移転を行っているのは44%、ロビー活動や政治献金に気候変動を考慮しているのは40%、そして最も重要な点として、シニアリーダーの報酬と環境の持続可能性に関する実績を結びつけているのは37%にとどまっていることが挙げられた。

Deloitteは、調査対象企業の19%を「気候変動リーダー」に分類し、「進路変更アクションのうち少なくとも4つを実施している企業」と定義している。調査によると、これらの企業は、気候変動対策から財務上および評判上の利益を期待する傾向が著しく高く、その取り組みによって、顧客満足度(55%が報告、「遅れている」企業の39%に対して)、投資家の利益/満足度(45%対23%)、新規ビジネスからの収益(45%対24%)、投資コスト(40%対21%)にプラスの影響があると予想している。

【参照ページ】
(原文)New Deloitte research highlights increasing business concern about climate change; reveals disconnect between ambition and impact
(日本語訳)デロイトの新調査では、気候変動に対する企業の懸念が高まっており、野心とインパクトの間に断絶があることが明らかになった

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