11月28日、サントリーグループは、原料由来の温室効果ガス(GHG)排出削減に向け、麦芽サプライヤーのMuntons、農業コンサルティング会社のFuture Food Solutions、大麦農家と協働し、イギリスで再生農業により生産された麦芽用大麦の調達に向けた取り組みを開始した。再生農業の手法で整備した農地での大麦生産を来春より開始する予定である。
農林業由来のGHG排出量は、全体の約4分の1を占めると推定されている。同グループは、バリューチェーンにおけるGHG排出量の中で、農業由来のものは約2割を占めると推定している。
今回、同グループにおける主要原料の1つである大麦について、Muntons、FFS、イギリスの大麦農家と協働し、カバークロップの活用や不耕起栽培などの農法を導入する再生農業に取り組む。そして、本取り組みにおける農業由来のGHG排出量を、5年以内に従来比で50%削減することを目指す。同時に、土壌中の生物多様性が再生されることで土壌が肥沃になり、化学肥料や農薬使用の削減、水の有効利用などの効果も期待される。
サントリーグループは、水や農作物など自然の恵みに支えられた食品酒類総合企業として、「水と生きる」をステークホルダーとの約束、「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきた。GHG排出量については、2050年までにバリューチェーン全体でネット・ゼロを目標としている。
「サントリーグループ環境基本方針」では、水源や原料産地などの生態系を守るため、持続可能な農業への移行を通じて生物多様性の保全と再生に努めることを掲げており、7月には、より良い世界のための持続可能な農業を目指す国際団体「SAI(Sustainable Agriculture Initiative)プラットフォーム」に日本企業で初めて加盟した。