AIのサステナビリティ問題? 新研究が示す楽観的な見解

7月24日、最新の調査によると、約500人のサステナビリティ専門家のうち4割近くがAIの潜在的な負の影響を懸念している一方で、57%がAIの利点と負の影響をバランスさせることができると楽観的に考えている。

AIを駆使したデータセンターの電力使用量は2026年までに倍増する可能性があり、企業のカーボンニュートラルの取り組みを危険にさらすことになる。このため、世界中のサステナビリティチームは、環境を損なうことなくこの革新的な技術をどのように実装するかという課題に直面している。しかし、サプライチェーン管理やESG報告などでAIが役立つ証拠もあり、Salesforceの新たな研究は、企業がこのバランスをうまく取っていることを示唆している。

調査結果によると、6割以上のサステナビリティ専門家が、AIの利点と環境コストをバランスさせる必要があると答えており、AIがサステナビリティの取り組みに悪影響を及ぼすと心配している専門家も4割近くいる。しかし、58%はAIの利点が気候危機解決においてリスクを上回ると信じており、55%はAIが全体としてサステナビリティの進展にプラスの影響を与えると考えている。

さらに、サステナビリティ専門家の約半数が、サステナビリティプログラムでAIを使用または試験しており、20%は完全にAIを導入している。AIの主な利用方法には、エネルギー効率の改善(50%)、カーボン排出モデリング(48%)、環境基準の遵守(47%)が含まれる。

最大の課題はAIとサステナビリティに関する知識のギャップであり、79%がサステナビリティ実践について他者を教育することが優先事項と答えている。教育とトレーニングプログラムの実施により、企業はサステナビリティ目標を達成できる。

Salesforceの最高影響責任者であるスザンヌ・ディビアンカ氏は、「サステナビリティとAIの教育とトレーニングは、企業と気候目標のギャップを埋めるだけでなく、学習と革新の文化を育む」と述べている。

【参照ページ】
(原文)Does AI Have a Sustainability Dilemma? New Research Shows Optimism Despite AI Energy Demands
(日本語参考訳)AIは持続可能性のジレンマを抱えているのか?新たな研究はAIのエネルギー需要にもかかわらず楽観的であることを示している

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る