GRIとTNFDがサステナビリティ報告の整合性を強化

7月25日、Global Reporting Initiative(GRI)と自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、サステナビリティ報告の基準整合性を強化する新たな連携を発表した。本連携により、企業はGRI基準とTNFD勧告の両方に基づいた報告を行うことが可能となり、自然関連の依存、影響、リスク、機会を包括的に評価できるようになる。

GRIとTNFDは、2022年以降緊密に協力してきた。その結果、GRIの基準とTNFDの勧告およびガイダンスにおいて、高い整合性が確立された。特に、GRI 101: Biodiversity 2024は、TNFDの勧告と一致するように改訂されており、自然関連のリスクと機会の評価において、一貫した用語とアプローチが使用されている。

両組織は、自然関連の依存、影響、リスク、機会に関するケーススタディやガイドラインを共同で開発・公開する予定であり、企業がこれらの問題を評価し報告する際の支援を提供する。また、GRIとTNFDは、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)による生物多様性、エコシステム、エコシステムサービスに関する研究を支援している。

GRIは、経済、環境、社会への影響を評価し報告するためのグローバルな共通言語の設計者であり、過去25年間にわたり、厳格で実践的なサステナビリティ報告基準を開発してきた。TNFDは、自然関連のリスクと機会を報告し、行動するためのグローバルなリスク管理および開示枠組みを設計し、企業や金融機関が自然に配慮した意思決定を行うことを支援している。

今回の連携により、GRI基準を使用する企業は、TNFDの推奨開示事項を満たすための追加情報を報告しやすくなる。これにより、企業はより透明性の高い報告を行い、サステナブルな長期的価値を創出する能力を向上させることが期待される。

【参照ページ】
(原文)Interoperability mapping between the GRI Standards and the TNFD Disclosure Recommendations and metrics


関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  2. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る