IFRS財団の会計基準設定機関である国際会計基準審議会(IASB)は、気候関連およびその他の不確実性の影響を財務諸表で報告する際の、IFRS会計基準の適用方法を例示する8つの事例を提案する協議文書を発表した。
IASBは、特に投資家からの強い要望に応えてこれらの例示を作成・発表した。投資家たちは、財務諸表における気候関連の不確実性に関する情報が不十分であったり、財務諸表外で提供される情報と財務諸表上の情報が矛盾しているように見える場合があるとの懸念を表していた。このような懸念に対応するため、IASBは以下を目的として例示を提案した。
- 財務諸表の情報の透明性を向上させること
- 財務諸表と企業の他の報告部分、例えばサステナビリティ開示との連携を強化すること
8つの例示は、重要性の判定・仮定と見積りの不確実性に関する開示・情報の細分化などの領域に焦点を当てている。これらの例で示される原則と要件は、気候関連の不確実性に限らず、他のタイプの不確実性にも同様に適用される。
これらの例は、気候関連およびその他の不確実性に関する財務諸表の報告を改善するためにIASBが取り組んでいる措置の一環である。ISABはこれらの例の開発にあたり、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)およびその技術スタッフと協力した。この協力により、今回の例示がISSBのサステナビリティ関連開示要件と整合するようになっている。
【参照ページ】
(原文)IASB proposes illustrative examples to improve reporting of climate-related and other uncertainties in financial statements
(日本語参考訳)IASBは、財務諸表における気候関連およびその他の不確実性の報告を改善するための例示を提案