3月21日、ロジスティクス大手のドイツポストDHLグループの国際宅配便部門であるDHL Expressは、米国の中小企業(SME)向けにGoGreen Plusサービスを拡大すると発表した。これにより、中小企業は持続可能な航空燃料(SAF)の使用を通じて輸送時の排出量に対応できるようになる。
DHLのGoGreenサービスは、国際的に認められた気候保護プロジェクトに投資し、輸送中に発生する排出量を相殺することで、気候変動に左右されない輸送を荷主に提供するオプションである。GoGreenプラスは、カーボン「インセット」による実質的な排出量削減を目指し、荷主が従来の化石燃料を持続可能な燃料やSAFなどのクリーンテクノロジーに置き換えることを可能にする。
DHLは、2023年2月に英国を皮切りにDHL ExpressにGoGreen Plusサービスを展開し、翌月には他の市場にも拡大させる予定である。
新しいプログラムでは、DHL Expressの顧客は、DHL Expressのオンライン出荷・追跡プラットフォームを通じて出荷サービスを選択する際に、SAFに投資することで、出荷に伴う二酸化炭素排出量を削減、つまり「インセット」できる。本プログラムでは、特定の個々の出荷を対象に、達成したい排出削減量やSAFの使用量に合わせて柔軟に対応できる。
SAFの使用拡大は、DHLのサステナビリティ・ロードマップの重要な部分を形成している。2021年に開始された同ロードマップには、より野心的な気候目標の導入や、役員報酬をESG目標に関連付けることを含む、一連の脱炭素化と環境サステナビリティに関するコミットメントが含まれている。DHLの目標には、2030年までに全航空輸送に少なくとも30%のSAF混合燃料を使用すること等がある。
DHL Expressは昨年、過去最大規模のSAF取引に参加し、今後5年間で8億リットル以上のSAFをサプライヤーのbpおよびNesteから調達すると発表した。bpとNesteが供給するSAFは、廃油から製造され、従来のジェット燃料と比較してライフサイクルでの温室効果ガス排出量を最大80%削減することが可能である。
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DHL Express、bp社およびネステ社と8億リットル超となる過去最大規模のSAF(持続可能な航空燃料)契約締結を発表