BMW、持続可能なパッケージングの改善とサプライチェーンにおける排出量削減のためのイニシアティブを開始

 

8月11日、自動車メーカーのBMWグループは、物流における持続可能なパッケージングの改善と、サプライチェーンのCO2排出量削減を目的とした複数のプロジェクトを実施したと発表した。

同社は、サプライチェーンにおけるCO2排出量を20%削減することを全体目標としているという。本プロジェクトは、BMWが昨年発表した、ライフサイクルを通して自動車の排出量を削減し、循環型経済を重視し、リサイクル素材や再利用可能な素材の使用を強化するという新しい目標に沿った気候変動対策への取り組みの拡大を示すものである。

新しい取り組みの一環として、欧州にあるBMWの工場では、梱包材にリサイクル素材をより多く使用することになる。新たに受注した契約については、物流用の再利用可能な梱包材に含まれるリサイクル材の割合を、2022年には約20%から35%超へとほぼ倍増させる予定である。

BMWは、パッケージングに関するCO2計算機を通じて、個々の施策の影響を監視し、プロジェクトから予想される排出量への影響を報告した。

BMWは、発泡ポリプロピレン包装(EPP)に再生材料を使用することで、包装のプラスチックを代替している。新たに開発されたEPPパッケージは、すでに25%の再生材料を含んでおり、年間約280トンのCO2削減を可能にしている。また、現在100%リサイクル材を使用した最初のパイロットスキームが進行中であると述べている。

50%のリサイクル材を使用したカバーや小型の荷台を使用することで、年間680トンの二酸化炭素排出量をさらに削減できる可能性があると述べている。BMWによると、現在の取り組みは欧州の市場に集中しており、今後は米国、中国、メキシコの施設にも拡大していく予定である。

2022年からは、スチール製のパレット・ケージの代わりに、90%以上のリサイクル材を使用した折りたたみ式プラスチック製の代替品も使用する予定である。新しいコンテナを1万5,000個使用することで、年間約3,000トンのCO2削減が見込まれる。BMWグループは、石油由来のポリエチレンやポリプロピレンに代わるバイオベースの素材を使用したパイロット・プロジェクトも開始し、リサイクル家電の素材をパッケージに活用できないか、どのような形で活用できるかを検討している。

【参照ページ】
(原文)BMW Group backs sustainable packaging in its logistics
(日本語訳)BMW、持続可能なパッケージングの改善とサプライチェーンにおける排出量削減のためのイニシアティブを開始

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る