アラスカ航空、法人向け「SAF購入プログラム」を開始

 

8月11日、アラスカ航空は、持続可能な航空燃料(SAF)クレジットの購入を通じて法人顧客が出張時の排出量を削減できるようにし、出張時の持続可能性を改善する機会に関する教育や認識を拡大することを目的とした新しいプログラムの開始を発表した。

本発表は、アラスカ航空が昨年発表した、2040年までに二酸化炭素排出量をゼロにするロードマップに続くもので、今後数十年にわたる排出量削減の最も重要な機会として、SAFが挙げられている。

今回の新たな取り組みは、2020年にMicrosoftと開始した、SAFの利用によるMicrosoft社員の出張航空機の環境負荷低減を目的としたパートナーシップをベースにしている。本プログラムの一環として、Microsoftは、アラスカ航空で社員が移動する最も人気のある路線で、SAFクレジットを購入し、社員の出張によるCO2排出量を相殺することに同意した。

航空輸送は、世界の温室効果ガス排出量の2%を占めると推定され、温室効果ガス排出の大きな要因として、近年ますます注目されている。SAFは、従来のジェット燃料と比較してライフサイクルでの炭素排出量が80%少ないことから、市場関係者は、航空業界が排出量の影響を解決するための重要なツールの1つであると見ている。SAFは一般的に、化石燃料からではなく、廃油や農業残渣などの持続可能な資源、あるいは大気中から回収した炭素から製造される。

今月初め、アラスカ航空は、バイオ燃料企業のGevoと、これまでで最も大規模なSAFの取引を行うことを発表し、同社は5年間にわたり年間3700万ガロンのSAFを提供することを決定した。7月、アラスカ航空は、Microsoftおよび炭素転換企業Twelveとともに、回収したCO2からSAFの生産と利用を促進するための新たな協力関係を発表した。

本プログラムは、Microsoft、Boeing、ワシントン州立大学(WSU)をプログラム参加者として開始される。Microsoftは、アラスカとの出張によるスコープ3排出量の削減も約束しており、BoeingとWSUは航空・学術バリューチェーンのパートナーとして、持続可能な出張に関する知識と進歩を企業参加者と共有する予定である。

アラスカ航空は、DeloitteがSAFの購入と利用を進めるプログラムに参加することも発表した。両社は、SAFの市場を拡大するための会計的枠組みを提供するSAF証書の購入で提携する予定である。Deloitteは参加企業として、アラスカ航空との出張に伴う二酸化炭素の排出を約1,050トン削減する見込みである。

【参照ページ】
Alaska Airlines corporate sustainable aviation fuels program adds Deloitte as participant with business travel emissions-reduction agreement

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る