ムーディーズESGは、投資家や企業が、企業の気候目標とグローバル・ネット・ゼロ目標との整合性を評価できるようにすることを目的とした新しいソリューション、「Temperature Alignment Data」を発表した。
この新しいデータは、世界の大企業4,400社を対象としており、今後、対象範囲を拡大していく予定だ。
ムーディーズESGは、新しいソリューションの発表と同時に、データセットから得られた主要な知見をまとめたレポートを発行した。レポートによると、調査対象となった4,400社のうち、42%の企業が何らかの排出目標を設定しているが、ネット・ゼロを参照しているのは17%に過ぎない。また、現在の企業目標は、1.5℃の気温上昇に合わせるには不十分であり、このベンチマークに合わせた目標を設定している企業はわずか3%に過ぎず、評価対象企業全体の平均的な気温上昇は2.9℃であることがわかった。
一方、石油・ガス業界では、フットプリントの大部分を占めるスコープ3の排出量を考慮した目標を設定している企業はわずか6%で、大幅に遅れている。
ムーディーズのESGソリューショングループの気候変動対策担当副社長、アンドリュー・グラントは次のように述べている。
「気候変動の影響に対する懸念の高まりにより、投資家、企業、政府に対して、エネルギー転換に貢献し、排出量目標の達成に向けて測定可能な行動を示すよう求める圧力が高まっている。ムーディーズESGソリューションズの温度整合性データは、企業のネット・ゼロのコミットメントが、温暖化を1.5℃以下に抑えるために必要なものと一致しているかどうかについて、より高い透明性を提供します。」
【参照ページ】Corporate emissions targets failing to keep pace with 1.5°C trajectory