シンガポールの投資会社テマセックは、「アジア・サステナブル・フーズ・プラットフォーム」を立ち上げた。このプラットフォームでは、代替タンパク質の生産規模を拡大し、アジアにおけるサステナブル・フーズの商業化を促進するという課題に取り組むため、一連の取り組みとパートナーシップを展開する。
テマセクによると、この新しいプラットフォームは、製品開発から商業的なスケールアップや
採用まで、意欲的なフードテック企業の成長の各段階において、ソリューションやサポートを提供することを目的としている。
テマセックの企業開発グループ副責任者であるヨー・キート・チュアンは、より健康的で持続可能な食品に対する消費者の需要を満たすためには、今後10年間で1兆5,000億ドル以上の投資が必要になると考え、このプラットフォームを立ち上げたと述べている。
新しいプラットフォームは、イネーブラー、オペレーター、投資家として、フードテック企業にソリューションとサポートを提供することを目的としている。企業が製品の商業化を加速するのを支援するためのR&Dアドバイザリーやパイロットスケールの製造施設のほか、製造能力や商業化の機会に関する市場の洞察、戦略的なコネクションのネットワークを提供し、有望なフードテックのスタートアップ企業に資本を配分する。
またテマセクは、新プラットフォームの立ち上げを補完する一連のパートナーシップを発表した。これには、A*STARのSingapore Institute of Food & Biotechnology Innovation(SIFBI)による食品技術革新センター(FTIC)への投資や、ドイツの農業食品会社CREMERとの植物由来製品の製造能力強化のための合弁事業などが含まれている。
また、本プラットフォームは食品加工・流通企業であるADM社と提携し、精密発酵によって生産される微生物タンパク質の開発・製造受託サービスを行う合弁会社を設立する。ADM社の専門知識を活用することで、既存の小規模な食品テック企業が、発酵イノベーションをパイロットスケールまで拡大することが可能になる。
【参照ページ】
(参考記事)Temasek establishes the Asia Sustainable Foods Platform to accelerate the commercialisation of sustainable foods in Asia
(日本語訳)Temasek、「サステナブル・フード・プラットフォーム」を立ち上げ。アジアのフードテック企業を支援