気候テック・スタートアップAeroseal、建物の排ガスに取り組むため約93億円を調達

気候テック・スタートアップのAeroseal、建物の排ガスに取り組むため約93億円を調達

7月20日、気候技術企業のAerosealは、建物からの二酸化炭素排出量削減を目的としたソリューションへの取り組みを推進するため、6,700万ドル(約93億円)を調達したと発表した。

建物は、世界的な温室効果ガス(GHG)排出の主要な原因であり、また長期的な性質上、最も交換が難しいもののひとつでもある。暖房、冷房、換気(HVAC)は、建物からの排出量の約半分を占めている。世界グリーンビルディング評議会によると、建物の冷暖房に必要なエネルギーのほぼ50%は、ダクトの漏れによって浪費されている。

2010年に設立されたオハイオ州を拠点とするAerosealは、無害なポリマーの霧を建物の加圧空気ダクトと外壁に導入する技術を提供し、その場所に物理的にアクセスすることなくダクトを密閉するガムを作り、HVACシステムの漏れによるエネルギー浪費を大幅に削減する。

Aerosealによると、同社のソリューションは従来の方法よりもダクトの漏れを密閉する効果が50%高く、ダクトの密閉にかかる労働時間とコストを70%も削減できるという。同社は、すでに30カ国で26万戸以上の住宅と数千棟の商業ビルをシーリングし、50万トン以上のCO2排出量を削減したと述べている。

シリーズB資金調達ラウンドは、ビル・ゲイツが設立した投資会社Breakthrough Energy Venturesと脱炭素専門投資家Climate Investmentが共同で主導し、既存のパートナーであるBuilding Ventures、2150、Energy Impact Partnersに加え、新たにBeazer HomesとAramco Venturesが出資した。

【参照ページ】
(原文)AEROSEAL SECURES $67 MILLION IN SERIES B FUNDING
(日本語参考訳)気候テック・スタートアップのAeroseal、建物の排ガスに取り組むため約93億円を調達

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