インド、ESGファンドの新しい情報開示と投資ルールを発表

インド、ESGファンドの新しい情報開示と投資ルールを発表

7月20日、インド証券取引委員会(SEBI)が発表したESG投資ファンドの新ルールによると、インドのESGファンドは、資産の80%以上を特定の戦略に沿った証券に投資することが義務付けられ、資産運用会社は保有銘柄のESGスコアを毎月提供することが求められる。

SEBIはまた、投資信託が投資家に複数のESGスキームを提供できるようにするため、ファンドに新たなESG投資サブカテゴリーを導入したことも発表した。以前の規則では、投資信託はテーマ別カテゴリーで1つのESGスキームしか提供できなかった。

SEBIによると、新たな措置は「情報開示の強化とグリーンウォッシュリスクの軽減を推し進め、グリーンファイナンスを促進する」ために導入された。

新ルールの下では、資産運用会社は、除外、統合、ベストインクラス&ポジティブ・スクリーニング、インパクト投資、持続可能な目標、移行または移行関連投資を含む一連の定義された戦略の下で複数のESGファンドを提供できるようになる。ファンドはAUMの80%以上を戦略に沿った有価証券に投資し、残りの資産は戦略とは対照的な有価証券に投資しないことが求められる。さらに、包括的なBRSR(Business Responsibility and Sustainability Report)ガイドライン(2021年導入)に基づき報告を行っている企業、およびBRSRの開示について保証を提供している企業にAUMの65%以上を投資することが求められる。

ESGスキームに対する新たな開示要件としては、ファンド名にESG戦略を明記すること、月次ポ ートフォリオ計算書にESG格付けプロバイダー名とともにBRSRスコアを記載することなどがあ る。

また、ESGスキームのアセットマネージャーは、ESGを理由とした議決権行使かどうかも含め、議決権行使の根拠を開示する必要がある。

ファンドマネジャーは年次コメンタリーにおいて、ESG戦略の適用方法、エンゲージメントの実施方法、エスカレーション戦略の適用方法、エンゲージメントのケーススタディ、エンゲージメントの回数、使用したコミュニケーション手段、結果などのエンゲージメントの詳細を例示することが求められる。

新ルールはまた、資産運用会社に対し、ESGスキームが戦略や目的に適合しているか第三者から保証してもらうこと、資産運用会社の取締役会がスキームが規制要件に適合しているか証明することを求めている。

【参照ページ】
New category of Mutual Fund schemes for Environmental, Social and Governance (“ESG”) Investing and related disclosures by Mutual Funds

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る