1月20日、Insure Our Futureは、ブラジルの海底石油・ガス掘削への損害保険提供に関する報告書「Fueling Climate Change: The Insurers Behind Brazil’s Offshore Oil Expansion」を発表した。本報告書によると、ブラジルの海洋石油ガス掘削の大部分を保険で賄っているのは、Chubb、MAPFREに並んで、東京海上ホールディングスが多いことが明らかになった。
同報告書では、ブラジルの国営石油ペトロブラスは海洋石油・ガス事業を大規模に拡大する計画であり、化石燃料の拡大を直ちに停止すべき科学的コンセンサスと真っ向から対立するものであると糾弾している。
ブラジルの海洋石油埋蔵量の多くは、アマゾン川河口からカリブ海まで1,000キロ以上にわたって広がり、多くの絶滅危惧種が生息する大アマゾン礁のような脆弱な生態系の中にある。Chubb、MAPFRE、東京海上日動などの保険に加入しているペトロブラスは、珊瑚礁付近のまだ手つかずの地域に多数の利権を所有している。
石油・ガス部門の拡大は、ブラジルのパリ協定目標達成を妨げるだけでなく、伝統的漁民、キロンボラス、先住民など、すでに脆弱な状況にある数百万人のブラジル人の生活に悪影響を与える可能性を孕んでいる。
保険会社が支援を拒否すれば、石油・ガスプロジェクトやそれに伴う流出事故は起きないとされる。すでに35の保険会社が石炭への補償を制限した結果、補償額が減少し、保険料が高騰し、補償をまったく受けられないプロジェクトも出てきている。保険会社は、10社の保険会社が市場の70%以上を支配している石油・ガスにも同じような影響を与える可能性がある。
Insure Our Futureキャンペーンは、保険会社に対し、ブラジル沿岸およびそれ以遠の新規および拡張石油・ガスプロジェクトへの保険を直ちに停止し、影響を受けたコミュニティがすでに被った損失と損害に対して賠償金を支払うよう求めている。
【参照ページ】
(原文)DOCUMENTS REVEAL CHUBB, MAPFRE & TOKIO MARINE BACKING MASSIVE OFFSHORE OIL EXPANSION IN BRAZIL
(日本語訳)Insure Our Future、ブラジルでの海底石油・ガス開発で保険会社を糾弾