Unilever、インドネシアでのケミカルリサイクル実証プログラムの失敗を報告

Unilever、インドネシアでのケミカルリサイクル実証プログラムの失敗を報告

1月19日、NGOのGlobal Alliance for Incinerator Alternatives(GAIA)は1月18日、Unileverが2017年よりインドネシアで実施してきたプラスチック製包装のケミカルリサイクル実証プログラムが、失敗に終わったとする報告書を発表した。

Unileverに対しては、再利用やリサイクルできない使い捨てのプラスチックパッケージを世界中で生産し、プラスチック汚染の危機において際立った役割を担っているとして、多くの非難の声が集まっている。Unileverのプラスチック小袋は特に問題で、異なる種類の素材、接着剤、染料が何層にも重なっているため、リサイクルすることが不可能といわれてる。

Unileverは、市民社会が小袋の製造を中止し、再利用や詰め替え用の配送システムなど、廃棄物ゼロの解決策を作り追求することを求める声に対応すべく、革新的なクレアソーブ技術が世界で初めて多層プラスチック包装廃棄物をリサイクルし再利用できるとする広報キャンペーンを開始した。

Break Free From Plastic運動の昨年の年次ブランド監査報告書によると、Unileverは世界で3番目にプラスチックを汚染している企業であるとされている。インドネシアでは、プラスチック小袋はプラスチック廃棄物の16%を占め、年間768,000トンにのぼる。

2017年以降2年間は順調に推移していた本プログラムだが、その後物流・費用・技術面での課題により多層構造のプラスチック袋がリサイクルできなかったことを受け、終了に向かった。またUnileverが1,000万ユーロ(約1,560億円)以上の建設費を負担していた工場は現在閉鎖されている。回収されなかった小袋は、倉庫に保管されるか、焼却されるか、埋立地に投棄されたとみられており、工場の突然の閉鎖により、プロジェクトのために回収に従事していた廃棄物拾得者の生活にも支障をきたす状況を招いている。

【参照ページ】
(原文)INVESTIGATION REVEALS: UNILEVER’S EXPENSIVE PLASTIC SACHET CHEMICAL “RECYCLING” FAILURE
(日本語訳)Unilever、高価なプラスチック小袋のケミカルリサイクル実証プログラムの失敗

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る