10月29日、ISS(Institutional Shareholder Services)の責任投資部門であるISS ESGは、投資家が2050年のネット・ゼロ・シナリオと投資の整合性を評価できるようにすることを目的とした新しいツール群「Net Zero Solutions」を発表した。
この一連のソリューションは、投資家が2050年までにポートフォリオの排出量をネット・ゼロにするという目標を設定する傾向が強まっており、投資先の目標と進捗状況をさらに明確にすることが求められている。
最近、多くの企業がネット・ゼロの目標を発表しているが、その目標の多くは科学的な不整合や、不十分な目標達成がみられる。9月にScience Based Targetsイニシアチブが発表した調査結果によると、気候変動に関する目標を設定しているG20の4,200社以上の企業のうち、科学的根拠に基づいているのはわずか20%である。同様に、プロフェッショナルサービス企業のアクセンチュアが発表したレポートによると、大多数の企業が気候変動のネット・ゼロ目標を達成するための軌道に乗っていないことが明らかになった
ISS ESG Net Zero Solutionsは、2022年第1四半期の発売を予定しており、29,000の発行体の気候データ、23,000の発行体のエネルギーおよび抽出物データ、8,000の発行体のEUタクソノミー適格性データをカバーしている。また「Net Zero Portfolio Report」では、排出量の開示状況、化石燃料へのエクスポージャー、将来のパフォーマンスの可能性、気候変動を緩和する収益、目標設定など、ポートフォリオのネット・ゼロへの準備状況を集約して表示する。
【参照ページ】
(原文)ISS ESG Launches Net Zero Solutions
(日本語訳)ISS、Net Zero Solutionsを発表