Brattle GroupとOracle Utilities、脱炭素に関連した新レポートを発表

10月21日、米コンサルティング会社のBrattle Groupと電力・ガス・ 水道業界向けのソリューションを提供するOracle Utilitiesはレポートを発表し、2040年までに電力会社の顧客が行動を起こすことで、家庭用および小型自動車部門からの温室効果ガス(GHG)排出量を、現在の政策でクリーンエネルギー供給への投資を促進するケースの約2倍削減できることを明らかにした。

2021年初頭に実施されたこの調査では、今後10年から20年の間に顧客が新しい技術や行動を

採用することで得られるGHG削減効果を定量化した。 Brattle Group の分析モデルは、ガスや電気の効率化プログラムへの参加、電気自動車の購入、メーター裏の太陽光発電の設置、水や空間の暖房の電化など、複数の顧客の行動による負荷への影響を推定した。この結果は地域の時間ごとのグリッド排出係数を用いて計算されており、野心的で達成可能なGHG削減技術や行動の導入による影響を定量化している。

本レポートによると、2030年までに大幅な排出削減を実現するためには、消費者によるガスや電気のエネルギー効率化と、屋上での太陽光発電の導入が鍵となる。また2040年までにはEVの導入や、より効率的な電気暖房・給湯への移行が大きな役割を果たすようになる。EVについては、2030年から2040年にかけて走行する総数が4倍に増加することや、グリッドの排出量が減少することが予想されることから、二酸化炭素削減への貢献度が高まるとされている。

【参照ページ】
(原文)Research Shows Customer Action Key to Reaching Utility Decarbonization Goals
(日本語訳)脱炭素化の目標を達成するには顧客の行動が鍵

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る