海藻を使った「牛のゲップ」排出削減スタートアップSymbrosia、約9億円の資金調達を実施

海藻を使った「牛のゲップ」排出削減スタートアップ企業Symbrosiaが700万ドルの資金調達を実施

6月23日、ハワイを拠点とする海藻ベースの農業排出削減ソリューションを提供するSymbrosia(シンブロシア)は、ダノンのコーポレートベンチャー部門であるダノンマニフェスト・ベンチャーズが主導するシリーズA資金調達ラウンドで700万ドル(約9億円)の調達を発表した。

農業は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の大きな割合を占め、気候変動への影響に対処するのが最も困難な分野の一つであることから、気候変動対策の主要な焦点として浮上している。国連の食糧農業機関によると、世界の畜産からの総排出量は、すべての人為的なGHG排出量の14.5%を占めている。

2018年に設立されたシンブロシアは、家畜のメタン排出量を削減する天然海藻の飼料添加物を開発した。同社は海藻株を繁殖・培養し、牛の消化プロセスの腸内発酵部分で自然に発生するメタンを化学的に低減することで家畜のメタン排出を削減する飼料添加物「シーグレイズ」などの高価値製品に仕上げている。シンブロシアの養殖プロセスでは、真水はゼロで、養魚場から出る廃棄物をバイオレメディエーションしている。海藻をSeaGrazeに加工する際には、100%再生可能エネルギーを使用する。

今回の資金調達で得た資金は、同社の海藻株の生産規模を拡大し、シーグレイズを市場に投入するために使用される予定だ。また、シンブロシアは、ハワイのパイロット施設での生産を最大化し、より大規模な生産施設を建設してスケールアップを継続する予定である。

【参考ページ】
(参考記事)Symbrosia Raises $7 Million in Series A Funding to Scale Nature’s Solution to Agriculture’s Largest Unsolved Climate Challenge
(日本語訳)Symbrosiaが、農業における最大の未解決気候変動問題に対する自然界の解決策を拡大するため、700万ドルのシリーズA資金を調達

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る