
8月18日、グーグル、原子力発電企業のカイロス・パワー、テネシー川流域開発公社(TVA)は、米国のエネルギー需要増大への対応と先進的原子力分野における同国のリーダーシップ強化を目的とした新たな協力を発表した。今回の枠組みの中核となるのは、カイロス・パワーとTVA間の電力購入契約(PPA)であり、テネシー州オークリッジに建設予定のHermes 2原子力発電所が最大50MW(メガワット)の安定した電力をTVAの送電網に供給し、同網を通じてグーグルのデータセンター(テネシー州およびアラバマ州)に電力を届ける計画である。
TVAは米国で初めて先進的な第4世代原子炉から電力を調達するPPAを締結した公共電力事業者となる。Hermes 2原子力発電所はグーグルとカイロス・パワーの合意に基づく最初のプロジェクトであり、「2035年までに合計500MW規模の容量をもつ新たな先進原子力を稼働させる」という計画の一環をなす。発電所は当初28MWの出力を予定していたが、グーグルへのクリーンエネルギー供給を加速するため50MWへ拡大し、2030年の運転開始を目指している。
本協力により、グーグルはTVAシステムを通じてHermes 2原子力発電所由来のクリーンエネルギー属性を取得し、データセンター運営の脱炭素化を進めるとともに、将来的な事業拡張にも備える。さらに、今回の取り組みは、TVAが革新的かつ安定供給が可能なエネルギー源を統合し、サービスエリア内での新規クリーン電源開発を先導する姿勢を示すものでもある。
これら三社の連携は、成長する産業需要に対応しつつ地域経済の発展に寄与する新しいエネルギーモデルを示している。初期導入者のみに開発コストを限定する仕組みにより電力顧客の負担を軽減し、追加導入が進むにつれてコスト低減効果が広がることも期待される。
(原文)Google, Kairos Power, TVA Collaborate to Meet America’s Growing Energy Needs
(日本語参考訳)Google、Kairos Power、TVAが協力し、アメリカの増大するエネルギー需要に対応