資産運用会社のCazenove Capital、SDRラベルを主要なファンドに採用

1月7日、資産運用会社のCazenove Capitalは、FCA(Financial Conduct Authority, 金融行動監視機構)のSDRラベル(Sustainability Disclosure Requirements, サステナビリティ開示要件)を3つの主要なサステナブルファンドに採用する計画を発表した。同社は、英国に拠点を置く国際的な投資会社、シュローダーズの富裕層資産管理部門である。対象となるファンドは、慈善団体向けのSUTL Cazenove Charity Sustainable Multi-Asset Fund、個人投資家向けのSUTL Cazenove Sustainable Growth Fund、およびSUTL Cazenove Sustainable Balanced Fundであり、これらは合計30億ポンド以上の資産を管理している。

Cazenove Capitalは、3つのファンドにSDRラベルを採用する計画を発表した最初のウェルス・マネージャーの1つであり、カゼノブ・キャピタルの持続可能なマルチ・マネージャー、マルチ・アセット・アプローチの差別化をめざす。このラベルの採用は、同社のサステナブル投資アプローチの透明性と信頼性を提供し、投資がクライアントの価値観に沿ったものであることを保証する狙いがある。

SDRの下では、投資ファンドは4つのラベルのうち1つを選択でき、これによりサステナブル投資に対する信頼性と透明性を向上させ、グリーンウォッシングのリスクを最小化することを目的としている。今回採用される予定の「Sustainability Focus」ラベルを取得するには、ファンドの70%以上の資産が明確で具体的かつ測定可能なサステナビリティ目標に貢献し、その目標と矛盾する資産を保有しないことが求められる。

今回のCazenove Capitalの発表は、シュローダーズが2024年12月に10のファンドにSDRラベルを導入する計画を発表したことを受けたものであり、これによりSchrodersグループ全体で16ファンドが対象となる。今後さらに多くのシュローダーズのファンドがSDRラベルを取得する予定であり、詳細は追って投資家に通知される予定であるという。

【参照ページ】
(原文)Cazenove Capital to adopt the FCA’s Sustainability Disclosure Requirements (SDR) ‘Sustainability Focus’ label across its three sustainable flagship funds
(日本語参考訳)カゼノヴ・キャピタルは、持続可能な3つの主力ファンドにFCAの持続可能性開示要件(SDR)「持続可能性重視」ラベルを採用する。

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る