欧州議会、自動車とバンのCO2排出量規制を支持

5月11日、欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会(ENVI)は、新車と新型バンのCO2排出量基準を改定するEU規則案を、賛成46票、反対40票、棄権2票の賛成多数で採択したと報告した。

本規則案の中で、欧州議会議員らは、2035年までに排出ガスゼロの道路交通を実現するという欧州委員会の提案への支持を表明した。

提案された措置は以下の通り。

  • ゼロ・エミッション車および低排出ガス車(ZLEV)に対する奨励金制度は、もはや本来の目的を果たしていないため、廃止する。
  • 2025年末およびそれ以降毎年、ゼロ・エミッション車の普及に向けた進捗状況について、消費者や雇用への影響・再生可能エネルギーの利用度・中古車市場に関する情報を網羅した欧州委員会の報告書を作成する。
  • 提案より厳しい目標に沿って、エコ・イノベーションのための上限を徐々に引き下げる(現行の7g CO2/km制限は2024年までとし、その後2025年から5g、2027年から4g、2034年末までは2gとすべきである)。
  • 2023年末までに、自動車産業における公正な移行を確保し、雇用やその他の経済への悪影響を軽減するために、範囲を絞った資金提供の必要性を詳述した欧州委員会の報告書。
  • EU市場に投入される自動車およびバンのCO2排出量と、これらの自動車が消費する燃料およびエネルギーのライフサイクル全体を評価するためのEU共通の方法論を、2023年までに欧州委員会が作成する。

本規則案は6月の本会議で採択される予定であり、法案の最終的な形について、欧州議会がEU政府と交渉する予定である。

【関連記事】欧州委員会、温室効果ガス排出源に対処する一連の立法案を発表。建物の脱炭素化など本格着手
欧州委員会、グリーントランジション達成に向けた政策ガイダンスを発表

【参照ページ】
(原文)Fit for 55: MEPs back CO2 emission standards for cars and vans
(日本語訳)欧州議会、自動車とバンのCO2排出量規制を支持

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-9-5

    パナソニック、EV普及時代に向けたエネルギーマネジメント実証実験を開始

    8月22日、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社(以下「パナソニック」)は、大阪ガスマーケ…
  2. 2024-9-5

    SBTi、建築セクター向けに1.5℃シナリオに整合する脱炭素化フレームワークを発表

    8月28日、SBTi(Science Based Targets initiative)は、建築セ…
  3. 2024-9-2

    企業が持続可能性を推進するためのデータとAIの役割が浮き彫りに

    8月28日、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートが発表した最新レポート「Data-Pow…
ページ上部へ戻る