アマゾン、データセンターの効率向上と資源循環型経済の推進を目指す取り組みを発表

12月10日、アマゾンは、Amazon Web Services(AWS)において、2040年までのネットゼロカーボン目標達成に向け、データセンターの効率向上や資源循環型経済の推進を目指す取り組みを発表した。その取り組みの中核となるのが循環型経済の推進であり、「Design Better(より良い設計)」「Operate Longer(長期運用)」「Recover More(より多くの資源回収)」の3本柱を掲げている。

AWSのAmazon re:Cycle Reverse Logistics hubsでは、データセンターのハードウェアの寿命を延ばすための取り組みが行われており、2024年には解体されたラックの99%以上がリサイクル、再利用、または中古市場に販売され、廃棄物を削減している。これにより、AWSは予備部品の13%を再利用在庫から調達できるようになり、今後さらにこの割合を拡大する予定である。

AWSは、プラスチック部品にリサイクル素材やバイオベース素材を30%以上使用する目標を掲げ、2023年にはこれをサーバーラックのエアダクトやカバーパーツに適用し始めた。さらに、ハードウェアの寿命を延ばし、廃棄時の資源回収を拡大する取り組みを進めている。

また、AWSは設備の運用寿命を最大化するために、維持管理を強化している。サーバーの平均寿命を5年から6年に延長し、Amazon S3のハードディスクドライブ(HDD)の寿命も統合技術により2年延ばすことに成功した。このプログラムにより、2023年以降29万5000台以上の新規HDD購入を回避し、カーボンフットプリント削減とコスト削減を実現している。

さらに、AWSは修理・再利用・リサイクルを通じて廃棄物削減と資源回収を強化している。再利用不可能な資材はリサイクルされ、廃棄物を埋め立てから回避している。2023年以降、約2350万点の部品がリサイクルまたは中古市場で販売された。

【参照ページ】
(原文)How Amazon is making its data centers even more sustainable
(日本語参考訳)アマゾンがデータセンターをさらに持続可能なものにする方法

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る