
12月10日、Googleはクリーンエネルギー企業のIntersect PowerおよびTPG Rise Climateと戦略的パートナーシップを締結し、データセンターの成長と新たなクリーンエネルギー発電の整合を図る新たな取り組みを発表した。この三者協力により、AI開発を推進する一方で、データセンターの電力需要に対応するクリーンエネルギー発電を同時に構築し、新たな送電設備の必要性や稼働までの期間を削減することを目指している。
3者は、米国においてギガワット級のデータセンター容量を備えた工業団地を、新たなクリーンエネルギー施設と共に開発する計画である。初の施設は2026年に一部稼働し、2027年に完全稼働する予定である。
このパートナーシップは、AIが科学的進歩を促進し、医療や教育などの分野で重要課題を解決し、経済成長をもたらす可能性を最大限に引き出すために必要なリソースを提供することを目指している。経済学者の推計によれば、AIによる米国GDPの押し上げ効果は2030年までに年間1兆ドルを超える可能性がある。また、製造業の国内回帰や交通・冷暖房セクターの電化による経済成長や雇用創出も期待される。
Googleはデジタルインフラの開発において、電力網に接続された炭素フリーエネルギーとデータセンター投資を一体化させる「Power First」モデルを推進している。このアプローチは、送電インフラの整備を補完し、既存の電力網の最適利用を目指す重要な手段である。
現在、米国の電力網は経済成長に対応できておらず、発電能力や送電のボトルネックが多く見られる。Googleの新しいモデルは、電力負荷の成長とクリーンエネルギー発電を密接に連携させることで、電力供給の遅延を大幅に減らし、電力網全体の信頼性とコスト効率を向上させることを目指している。
Googleは今後も、電力網計画者や地域社会と連携し、経済的利益を生み出し、価格競争力のあるクリーンエネルギー容量を提供する地元リソースへの投資を継続していく方針である。このモデルは、持続可能で責任あるデジタルインフラの拡大に寄与し、すべての人にクリーンエネルギーへのアクセスを拡大することを目指している。
【参照ページ】
(原文)A new approach to data center and clean energy growth
(日本語参考訳)データセンターとクリーンエネルギーの成長への新たなアプローチ