CBRE、2040年ネットゼロ目標に向け新たな気候移行戦略を発表

12月5日、世界最大の事業用不動産会社のCBREは、持続可能な不動産運営を実現するため、2040年までのネットゼロ排出達成を目指す新たな気候移行戦略を発表した。この戦略は、世界7,000万平方フィート以上の物件を管理する中で得られた知見を活用し、さらなる温室効果ガス(GHG)排出削減を目指している。同社の排出量の97%が管理物件と供給網に関連しており、これらの削減は顧客や供給業者との協力が不可欠とされる。

戦略の要点として、CBREは2030年までにScope1およびScope2排出量を2019年比で50%削減することを目指し、同時に顧客のオフィスでのScope3排出量を平方フィートあたり55%削減する計画を立てている。この目標を達成するために、「リリース効率の最大化」「再生可能エネルギーの利用拡大」「オペレーションの電力ベース化」「サプライチェーンの脱炭素化」の4つの取り組みを掲げ、データ分析や技術革新、従業員のスキル向上、業界全体の協力といった要素を活用して進められる。

同社は、Scope3排出量の削減は特に複雑で、顧客が自社物件への投資や供給網の脱炭素化にどれだけ取り組むかことができるかが成功の鍵となるとし、さらに、電力ベース化の進展や再生可能エネルギーの普及も地域による制約があるといった課題も残るとした。

【参照ページ】
(原文)Climate Transition Strategy

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る