NGFS、NGFSシナリオの実務ガイダンスを発行

1月23日、気候変動・自然に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)」は、実務ガイダンス「NGFSシナリオ:目的、ユースケース、制度的適応が必要な場合のガイダンス」を発表した。

NGFSシナリオの利用が拡大する中、本文書では、NGFSシナリオの目的と実際的な用途を示すとともに、シナリオ利用者が何を達成しようとするのかを明確にし、利用するシナリオがその目的および特定の要件をどのように満たすことができるかを検討する必要性を認めている。同文書の最後には、シナリオに関するよくある質問が掲載されており、そのオンライン版は定期的に更新される予定。

NGFSシナリオは初回リリース以来、中央銀行、監督当局、その他の金融機関が、気候変動と移行に関連する多様な潜在的未来の意味を探る上で重要な役割を果たしてきた。NGFSは、モデル化技術を改良し、リスクの対象範囲を広げ、気候に関する最新の知見や計算能力、ユーザーのニーズを取り入れることで、継続的にシナリオを強化してきた。しかし、シナリオは依然として改良可能であり、予測としてではなく、最先端の気候科学に基づいた各シナリオの概略的な仮定に基づく、潜在的な経路の内部的に一貫性のあるマクロ財務的説明として見るべきであると主張。

本ガイダンスでは、シナリオ利用者がそれぞれの要求に合わせて分析を調整し、どのようなリスク評価ツールやシナリオ校正が追加的に必要かを判断する必要性を強調。また、利用者がシナリオの強度を適合させる必要があると思われる主な分野も示している。

【参照ページ】
(原文)NGFS publishes a Technical Document providing guidance on the purpose and use of the NGFS scenarios
(日本語参考訳)NGFS、NGFSシナリオの実務ガイダンスを発行

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る