BASFとInditex、繊維廃棄物のリサイクルで提携

1月23日、化学世界大手独BASFとアパレル世界大手スペインInditexは、協繊維産業におけるリサイクル性向上で協働することを発表した。100%再生ポリアミド6素材「LOOPAMID」の開発により、BASFは繊維廃棄物のみから作られたナイロン製衣料用初の循環型ソリューションを提供。ZARAは、同素材を100%LOOPAMID製のジャケットに仕立て、世界中で販売する。「リサイクルのためのデザイン」というアプローチに従い、生地、ボタン、詰め物、ホック、ファスナーなどすべてのパーツがLOOPAMIDから作られている。

Inditexは、衣料品製造業界の他の大手グループと提携し、LOOPAMIDを生地、ファスナー、ボタン、詰め物、面ファスナー、縫い糸など、さまざまな衣料品部品にシームレスに組み込んでいる。慈善団体Caritasが運営する引き取りプログラムModaReは、廃棄された繊維製品を分類、選別し、原料として提供。イタリアのRadiciGroupは、LOOPAMIDを特性の異なる様々なタイプの糸に変える工程に取り組んでいる。

YKKやベルクロも、LOOPAMIDを利用してファスナーやスナップボタン、面ファスナー用のプラスチック部品を作る上で重要な役割を果たしている。スペインのUniter、イタリアのTessitura Vignetta、ドイツのFreudenberg、Gütermannも本プロジェクトに参加し、LOOPAMIDを使用したインナーラベル、詰め物、縫製糸などの衣料品部品を開発している。

BASFは2030年までに、循環型経済へのソリューションによる売上を170億ユーロ(約3兆円)に倍増させることを目標としている。本目標を達成するため、BASFは循環型原料、新素材サイクル、新ビジネスモデルという3つの行動分野に注力している。

Inditexは、2030年までに繊維製品の100%を環境フットプリントの小さい素材のみで製造することを目指す。本コミットメントの一環として、繊維の25%をまだ工業的規模では存在しない次世代素材、40%を従来のリサイクル素材、25%を有機繊維および再生繊維で製造することを見込んでいる。

【参照ページ】
(原文)BASF and Inditex make a breakthrough in textile-to-textile recycling with loopamid, the first circular nylon 6 entirely based on textile waste
(日本語参考訳)BASFとInditex、繊維廃棄物のリサイクルで提携

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る