食品・飲料大手のペプシコは、「PepsiCo Positive(pep+)」戦略の一環として、食料安全保障プログラム「Food for Good」を通じ、2030年までに5,000万人が栄養価の高い食品を入手できるようにするという新たな目標と、手頃な価格で提供する栄養食品の拡大を発表した。
今年初めに発表された「pep+」は、ペプシコの原材料の調達、製品の生産・販売、ブランドを
通じた人々への働きかけなどを網羅した、ペプシコの新しいサステナビリティフレームワークだ。このフレームワークでは、「Positive Agriculture」、「Positive Value Chain」、「Positive Choices」の3つの柱に焦点を当てている。
同社によると、世界では約8億人が飢餓に苦しんでおり、世界人口の40%以上が健康的な食生活を送ることができない状況にあるという。
ペプシコの「Food for Good」プログラムは、米国の子供の栄養状態を対象に、地域のリーダーと協力してニーズを把握し、地域に密着した解決策を共に考えることで、食の安全を推進している。同社は現在、このプログラムをグローバルに拡大することを目指しており、世界各地の地域パートナーと協力して、栄養価の高い食品へのアクセスを増やし、小規模農家の生産性と収入を向上させるソリューションに投資している。
具体的には、世界食糧計画(WFP)に対し気候変動、紛争、自然災害、人道的危機の影響を受けているコミュニティの食糧安全保障ニーズを改善するために100万ドルを助成すること、NGO CAREとのパートナーシップにより、世界中の女性農業従事者のジェンダー平等と経済的エンパワーメントを確保するための「She Feeds the World」を拡大すること、子会社のクエーカーがNGO CareおよびUn Kilo de Ayudaとのパートナーシップにより、小児の栄養不良対策のための介入を拡大することなどが挙げられている。
ペプシコは、今回の新たな目標は先日発表した「Zero Hunger Private Sector Pledge」への支援に加えて、2030年までに1億ドルのポジティブな農業および食料安全保障への取り組みを行うことを約束するものだ。
ペプシコ・グローバル・コミュニケーション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼ペプシコ財団理事長のジョン・バナーは、次のように述べている。
「世界は悲惨な世界的飢餓危機に直面しており、パンデミックによってさらに悪化しています。グローバルな食品・飲料のリーディングカンパニーである当社は、私たちがサービスを提供するコミュニティが飢餓や栄養失調から解放されるよう、より公平なグローバルフードシステムを実現するために重要な役割を担っています。私たちは、新しい方法で地域社会のパートナーと協力して当社のグローバルな能力を活用できることを誇りに思いますが、これは飢餓ゼロを実現し、すべての人に持続可能な未来を約束するための長い旅路の一歩にすぎません。」
【参照ページ】
(原文)FOOD FOR GOOD STEPS UP ITS FIGHT AGAINST GLOBAL HUNGER
(日本語訳)ペプシコ、2030年までに5,000万人の支援を目指す「食料安全保障目標」を発表