Temasek、数十億円を投じ、脱炭素化ソリューション投資プラットフォームを立ち上げ

投資会社Temasek、数十億円を投じて脱炭素化ソリューション投資プラットフォームを立ち上げ

6月6日、シンガポールの投資会社Temasek(テマセク)は、脱炭素社会に向けたソリューションに特化した新しい投資プラットフォーム「GenZero」の立ち上げを発表した。テマセクは、新プラットフォームの立ち上げに50億シンガポールドル(約4,800億円)の資金を投入する。

新プラットフォームの立ち上げは、世界の主要な投資会社が、気候変動やエネルギー転換のためのソリューションを推進し、産業の脱炭素化に資金を動員していることを受けたものである。テマセクは、気候変動対策に特化したVCおよびプライベートエクイティのパートナーシップである「Decarbonization Partners」をBlackRockと立ち上げ、Brookfieldのネット・ゼロに焦点を当てたインパクトファンド「Brookfield Global Transition Fund」に設立投資パートナーとして参加するなど、様々な取り組みに参加している。

GenZeroは、世界の気温上昇を1.5度に抑えるため、排出量ギャップを解消するソリューションを開発・商業化する企業に短期・長期の両面から投資する。「ペイシェント・キャピタル」を必要とする初期段階の企業やソリューションから、規模拡大の準備が整った成熟企業まで幅広く投資対象にしている。

新しいプラットフォームは、技術ベースのソリューション、自然ベースのソリューション、カーボンエコシステム・イネーブラーの3つの主要な投資分野に焦点を当てる。

技術ベースのソリューション
電力・エネルギー、輸送・建築、産業・製造などのセクターにおいて、低炭素材料、炭素回収・利用・隔離(CCUS)、サステナブルな航空燃料(SAF)などの先進バイオ燃料などの炭素削減・炭素除去技術により、基本的な脱炭素化のインパクトを与える技術を投資対象としている。


自然ベースのソリューション
自然生態系の保護、修復、管理のためのソリューション展開を支援し、規模の拡大を目的にしている。GenZeroは、林業・農業分野のパートナーと共にプロジェクトを投資・共同開発し、炭素クレジットを活用して本ソリューションへの資金提供を加速する。


カーボンエコシステム・イネーブラー
気候アドバイスサービス、炭素取引インフラ、モニタリング・報告・検証(MRV)技術、格付けプロバイダーなどの分野への投資が含まれ、効果的で信頼できる炭素市場の発展を支援する。

【参照ページ】
(原文)
Temasek launches GenZero, an investment platform company aimed at accelerating decarbonisation globally
(日本語訳)
投資会社Temasek、数十億円を投じ、脱炭素化ソリューション投資プラットフォームを立ち上げ

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    2025-7-17

    複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    サステナビリティ情報開示の実務の“今”に応じたオリジナル解説記事のご案内 サステナビリティ情…
  2. 2025-7-17

    カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

    7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)…
  3. GXの全貌と実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    2025-7-16

    GX/GX-ETSと実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    ※本記事は、2025年3月に発行した記事に最新のGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る