ICMA、サステナブルファイナンスのグリーンウォッシュに関して提言

10月10日、国際資本市場協会(ICMA)は、サステナブルファイナンスにおける市場のインテグリティとグリーンウォッシュに関するペーパー「Market integrity and greenwashing risks in sustainable finance」を発表した。

本ペーパーは、2023年初めに欧州監督当局(ESAs)から出された「グリーンウォッシュに関する証拠募集」に対する回答を受けたもの。本書では、グローバルな視点からサステナブルファイナンス市場におけるグリーンウォッシュの懸念に関する分析をさらに発展させ、外部調査や社内調査への言及を加えるとともに、政策立案者や規制当局に対して5つのハイレベルな提言を行った。

本稿の目的は、市場の自己満足と規制のオーバーシュートという2つのリスク回避、グリーンウォッシュへの対応について、市場、市民社会、規制当局間の建設的な対話(エンゲージメント)の促進である。

具体的には、サステナブルボンド(ESG債)では、「意欲の欠如」「戦略の一貫性の欠如」「広範なサステナビリティリスクの誤った管理」「実際の虚偽」の4つ、サステナブルファンドでは、「責任投資手法の曖昧さ」「ファンドの表示や名称の不明瞭さ、誤解を招くような表示」「実際の虚偽」の3つを懸念に挙げた。サステナブルボンド市場については、ICMAの各原則に代表されるデファクトのグローバルスタンダードが、懸念される領域を積極的に緩和していると指摘。

【参照ページ】
(原文)ICMA releases new paper on market integrity and greenwashing risks in sustainable finance
(日本語参考訳)ICMA、サステナブルファイナンスのグリーンウォッシュに関して提言

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-13

    CSRD改革案に欧州企業が懸念 調査で現場の支持と課題が明らかに

    5月、欧州のNGOであるWeAreEuropeは、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)について…
  2. 2025-6-12

    環境省、中小企業の脱炭素化支援へ新指針 – 地域ぐるみで推進

    5月19日、環境省は中小企業の脱炭素経営を推進するための「地域ぐるみでの支援体制構築ガイドブック(…
  3. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る