7月11日、炭素除去技術企業のCarbonCure Technologiesは、新たな株式ラウンドで8,000万ドル(約110億円)を調達したと発表した。本資金は、コンクリート部門向けの排出削減ソリューションの拡大と、炭素クレジットの供給拡大を目的としている。
建築物は環境と気候に影響を与える主要な原因であり、世界の年間温室効果ガス(GHG)排出量の40%近くを生み出している。また、具体化炭素、つまり建材の製造と建設から排出される炭素は、新築による炭素排出量の約半分を占めている。コンクリートの主成分であるセメント生産は、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占め、1000kgの材料を生産するごとに900kg以上の二酸化炭素が排出される。
ノバスコシア州ハリファックスを拠点とするCarbonCureは2012年に設立され、コンクリート製造業者が回収した二酸化炭素を利用して低炭素コンクリートミックスを製造するソリューションを提供している。 同社の技術はコンクリート工場に後付けされ、コンクリート製造業者が混合中に回収した二酸化炭素を生コンクリートに注入し、コンクリートの強度を高めながら二酸化炭素を無機化するプロセスを可能にする。
同社によると、技術はすでにトラック500万台分の低炭素コンクリートを製造し、約29万トンのCO2を削減している。
今回の資金調達ラウンドは、インパクト投資専門のBlue Earth Capitalが主導し、Breakthrough Energy Ventures、Taronga Ventures、Amazon’s Climate Pledge Fund、Microsoft Climate Innovation Fund、2150などの既存投資家のほか、新たにBH3 Growth Equity(BH3)とSamsung Ventures(Samsung C&Tが支援するコーポレートVCファンド)が参加した。
【参照ページ】
(原文)CarbonCure Secures $80M USD In New Equity Round Led By Blue Earth Capital
(日本語訳)カーボンキュア社がブルーアースキャピタル主導の新資本ラウンドで8000万米ドルを確保