8月23日、ビジネス・金融市場情報サービス・プロバイダーのBloombergと資本市場コンサルティング・リサーチ会社のAdox Researchの新しい調査によると、90%以上の経営幹部が、ESGデータへの支出を今年中に大幅に増やすと見込んでおり、その大半はESGデータへの投資が競合他社に遅れをとらないため、あるいは競争優位性を築くために必要だと考えている。
本調査のために、BloombergとAdoxは、北米、欧州、英国、アジア太平洋地域のポートフォリオ・マネージャー、気候変動リスク担当役員、データ管理担当役員100人以上を対象に調査を行った。
調査によると、エグゼクティブの92%がESGデータへの支出を前年比10%以上増加させると予測しており、そのうち半数以上が20%以上、18%が50%以上増加すると予測している。
回答者の45%がESGデータへのアクセスは競合他社に遅れを取らないための「テーブルステークス」であり、44%がESGデータは自社の競争力強化に不可欠であると回答している。さらに10%が、ESGデータは主に規制遵守のために利用していると回答し、ESGデータは製品やマーケティング戦略にとってあまり重要ではないと回答したのはわずか1%であった。
興味深いことに、本調査の回答者のほぼ3分の2(64%)が、ESGの能力に関して競合他社よりも先を行っていると考えている一方、28%は遅れをとっていると考えている。
カテゴリー別では、ESGベンチマークとインデックスが24%、企業報告要因が19%、ESGスコアが17%と続いた。ESGデータプロバイダーを選択する基準としては、データの品質が上位に挙げられ、次いでカバレッジの広さ、コスト、統合の容易さが続いた。
回答者の3分の1以下(29%)は、ESGデータニーズの評価と実施に全社的なアプローチを利用していると回答したが、半数以上は各ビジネスラインが管理する分散型のフレームワークに従っていると回答し、18%は正式なプロセスはなく、ESGデータの取得と管理にその場限りのアプローチを利用していると回答した。
本調査では、ESGデータ管理で経営幹部が直面する課題についても調査しており、常に進化し続ける新しいESGデータ・コンテンツが、企業のESGデータ管理で最も困難な点として挙げられている。
【参考ページ】
(原文)Bloomberg Survey Reveals Increasing Demand for ESG Data but Data Management Challenges Persist
(日本語参考訳)ブルームバーグ調査:ESGデータへの需要は高まるが、データ管理の課題は依然残る