金融庁、2023事務年度金融行政方針を公表

8月29日、金融庁は2023事務年度の金融行政における重点課題および金融行政の方針として、「2023事務年度金融行政方針」を公表した。

本方針は、「経済や国民生活の安定を支え、その後の成長へと繋ぐ」「社会課題解決と経済成長を両立させる金融システムを構築する」「金融システムの安定・信頼を確保する」「金融行政を絶えず進化・深化させる」の4つが柱となった。

主なポイントは以下である。

■ 事業者支援の一層の推進
・金融機関が、資金繰り支援にとどまらず、資本性劣後ローンやREVIC等を活用しながら、経営改善支援や事業再生支援等を実施することを促す
・事業者支援に関する重点的なヒアリング等を通じて、課題等を把握し、事業者の実情に応じた支援の徹底を促す


■ 金融システムの安定・信頼の確保
・国内外の金融経済情勢等の動向が金融システムの安定に与える影響を注視する
・金融機関の持続的なビジネスモデルの構築に向け、その経営基盤の強化を促す
・金融機関による健全性の維持、法令等の遵守の徹底、顧客本位の業務運営の確保、及びマネロン対策等やサイバーセキュリティの強化等に向けて、深度あるモニタリングを実施する


■ 資産運用立国の実現と資産所得倍増プランの推進
・資産運用業の高度化やアセットオーナーの機能強化など、資産運用立国に向けた具体的な政策プランを年内に策定するとともに、
・「Japan Weeks」の開催等を通じて国内外へ積極的な情報発信を行う
・新しいNISA制度(2024年1月開始)の普及・活用促進、金融経済教育の充実など、資産所得倍増プランを推進する。スタートアップ支援やコーポレートガバナンス改革、サステナブルファイナンスの推進、デジタル社会の実現等に取り組む


■ 持続的な経済成長を支える金融関連法制の構築
・事業全体に対する担保権の制度化や大量保有報告制度の見直し等に向け、関連法案の早期の国会提出を目指す
・前通常国会で継続審査となった関連法案の成立を前提に、「金融経済教育推進機構」の設立(2024年春)・本格稼働(同年夏)や四半期開示の見直し(同年4月)等に向けた取組を推進する

【参照ページ】
2023事務年度 金融行政方針

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