環境省、木質バイオマスエネルギー賦存量の推計結果を初発表

4月、環境省は日本国内の木質バイオマスエネルギー賦存量について、市町村レベルの推計結果を初めて発表した。環境省が運営しているウェブサイト「再生可能エネルギー情報提供システム(REPOS)」内でデータを掲載した。

REPOSには、太陽光発電・風力発電・地熱発電・中小水力発電・太陽熱・地中熱の6つの賦存量を掲載している。賦存量とは、地理的環境等から理論的に算出可能なエネルギー資源量を指す。そこから、利用制約や連系等を加味したものを「導入ポテンシャル」と呼ぶ。そこからさらに収益性を考慮すると「事業性を考慮した導入ポテンシャル」となる。

本発表では、バイオマスエネルギーの定義について「発電・熱利⽤としてエネルギー利⽤可能なものであること」「他と競合利⽤が少ないこと」「継続的に⼀定量供給可能なバイオマスエネルギーであること」と定めた。それらを基に、2021年に森林法にもとづいた森林計画制度に規定される、国有林・⺠有林の⼈⼯林の全樹種の調査を実施。素材・原料として利用される分は含まず、未利⽤資源の発⽣量(林地残材)、枝条発⽣量、年間蓄積増加量のうちエネルギー利⽤分を推計した。

データは、REPOS内の、「自治体再エネ情報カルテ」の項目まで深掘りすると閲覧できる。市町村への配分については、都道府県レベルの推計結果から、森林⾯積を⽤いて市町村へと按分しており、実態とずれている可能性もある。

【参照ページ】
再生可能エネルギー情報提供システム

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る