Microsoft、BTG Pactualと過去最大規模のカーボン・クレジット取引契約を締結

6月18日、ラテンアメリカの投資銀行 BTG Pactual の子会社であるBTG Pactual Timberland Investment Group (TIG) は、Microsoft とのカーボン・クレジット(吸収・除去系)取引契約の締結を発表した。TIG は 2043 年までに最大800 万トンの自然ベースのカーボン・クレジット(吸収系)を Microsoft に提供する。

投資データ・リサーチプロバイダーのMSCIカーボンマーケットのデータによると、この取引はこれまでで最大の二酸化炭素除去クレジット取引であるという。

今回取引されるクレジットは、ラテンアメリカTIGの10億ドル規模の森林再生・修復戦略から提供される。本戦略では、国際環境NGOであるコンサベーション・インターナショナルがインパクト・アドバイザーを務めている。

本戦略は、ブラジルのセラードバイオームを含む、ラテンアメリカにおける土地の保護・修復・植林に重点を置いている。セラードの約半分はすでに開発されており、森林破壊問題に直面している。同戦略は、森林破壊された土地のうち約135,000 ヘクタールの自然林を保護および復元することを目指している。現在までに、TIGは37,000ヘクタールに対して投資し、すでに700万本以上の苗木を植え、約2,600ヘクタールの自然林の復元に着手している。

Microsoftは、2030 年までにカーボン・ネガティブを達成し、2050 年までに1975 年の創業以来のすべての事業活動による排出を環境から排除するとの目標を立てている。今回の契約はこの目標に係る取り組みのひとつである。

【参照ページ】
(原文)BTG Pactual Timberland Investment Group to provide Microsoft with 8 million carbon removal credits
(日本語参考訳)BTG Pactual Timberland Investment Group、マイクロソフトに800万の炭素除去クレジットを提供

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