欧州委員会、炭素国境調整メカニズムの過渡期における実施規則を採択

8月17日、欧州委員会は、2023年10月1日から2025年末までの過渡期における炭素国境調整メカニズム(CBAM)の実施規則を採択した。

本実施規則では、CBAM商品のEU域内輸入業者に対する暫定的な報告義務、およびCBAM商品の生産過程で排出される組込排出量の暫定的な算出方法について詳述している。

CBAMの過渡期においては、貿易業者は、調整金を支払うことなく、この制度の対象となる輸入品に含まれる排出量についてのみ報告する必要がある。これは、事業者が予測可能な方法で準備するのに十分な時間を与えるとともに、2026年までに確定的な方法論を微調整することを可能にする。

また、輸入業者と第三国の生産者の双方を支援するため、欧州委員会は、EU域内の輸入業者およびEU域外の施設向けに、新規則の実際の実施に関するガイダンスを発表した。同時に、輸入業者がこれらの計算を行い、報告するのに役立つ専用のITツールも現在開発中。移行措置の開始時に企業を支援するための研修資料、ウェビナー、チュートリアルも提供する。輸入業者は2023年10月1日から第4四半期のデータを収集するよう求められるが、最初の報告書は2024年1月31日までに提出すればよい。

【参照ページ】
(原文)Commission adopts detailed reporting rules for the Carbon Border Adjustment Mechanism’s transitional phase
(日本語訳)欧州委員会、炭素国境調整メカニズムの過渡期における実施規則を採択

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-15

    ESGフロントライン:移行計画の“実行力”が企業価値を左右する時代へ

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-7-15

    ESRS開示項目66%削減案へEFRAGが草案公表。ダブルマテリアリティ評価も負担軽減

    7月、欧州のサステナビリティ報告基準を策定する欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、欧州サステ…
  3. ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025-7-11

    ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025年7月に公表されたSASBスタンダードの改訂案は、IFRS S2の産業別ガイダンスと連動す…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る