グリーンセメントの新興企業セムビジョンが約16億円を調達

グリーンセメントの新興企業セムビジョンが約16億円を調達

3月21日、セムビジョンは、シード資金調達ラウンドで1,000万ユーロ(約16億円)を調達したと発表した。これは、高性能でCO2排出量が極めて少なく、資源効率の高い100%循環型セメントを提供するための同社の短期的な取り組みを加速させることを目的としている。

建築資材は、世界的な温室効果ガス排出の主な原因となっている。コンクリートの材料であるセメント生産は、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占め、材料1000kg生産するごとに900kg以上の二酸化炭素が発生する。

スウェーデンを拠点とするセムビジョンは、ポール・サンドベリ、クレス・コルベリ、マーカス・オルソンによって2020年に設立され、従来のポルトランドセメントに代わる代替セメントを提供している。このセメントは、バージン石灰石の代わりに産業廃棄物からリサイクルされた原料を使用して製造され、グリーン電力を動力源とする窯を利用して、はるかに低い温度で製造され、カーボンフットプリントは95%削減されている。同社によると、このソリューションは、従来のセメント製品に比べ、圧縮強度が早く、建設期間を短縮できるほか、超低熱性、高耐薬品性など、さらなる利点を提供するという。

今回のシード資金調達は、同社が2023年7月に化石燃料を使用しないセメントの大規模パイロット生産を初めて達成し、12月にスウェーデン国営鉱山会社LKAB ABと初のグリーンセメント供給契約を締結したことに続くものだ。

今回のシードラウンドは、スウェーデンを拠点とするVC投資家BackingMindsとインフラに特化したPolar Structureが主導し、カリフォルニアを拠点とするベンチャーファンドZacua Venturesが参加した。

【参考ページ】
(原文)Cemvision raises €10M in landmark climate tech seed round
(日本語参考訳)Cemvision、画期的な気候テック・シード・ラウンドで1000万ユーロを調達

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る