自然資本分野の投資家向けガイダンスを発表 Nature Action 100(NA100)

3月26日、欧州の機関投資家団体であるIIGCCと米国のESG投資推進NGOであるCeresが運営する自然資本分野の集団的エンゲージメントイニシアティブ「Nature Action 100(NA100)」は、投資家向けの新たなガイダンスを発表した。

NA100は、2017年に気候変動分野で発足し、企業100社に集中エンゲージメントするClimate Action 100(CA100)の自然資本版として活動している。このイニシアティブでは、6つの重要テーマ「野心」「評価」「ターゲット」「実行」「ガバナンス」「エンゲージメント」を設定し、8つの主要セクターに焦点を当てている。

具体的には、「バイオテクノロジーと医薬品」「農薬を含む化学」「消費財」「Eコマースを含む小売」「食品(肉・乳製品メーカーや加工食品メーカー)」「食品・飲料小売」「林業・製紙業」「金属・鉱業」のセクターが対象となっています。2023年9月には、これらのセクターにおけるエンゲージメント対象企業100社が発表された。

新たに発表されたガイダンスでは、各セクターにおける事業活動が自然に与える影響について概説されている。具体的には、セクターのバリューチェーン、自然への影響度が高い活動と該当する主なセクター、自然に与える影響と依存度、投資家向けの各セクター企業に対するエンゲージメントのための主な質問項目が報告された。

NA100は今後、エンゲージメント対象企業の進捗に関するベンチマーク分析を毎年発表する予定である。具体的な指標は2024年春に公開される予定である。これにより、投資家は企業の自然資本への取り組みや進捗状況をより詳細に把握し、持続可能な投資を促進することが期待されている。

【参照ページ】
(原文)Nature Action 100 releases new guide for investors to help drive urgent corporate action in key sectors

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る