2024年1月、国連環境計画世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)と国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)は、自然関連問題の評価と開示に関する7つの主要な基準、フレームワーク、システムについて比較研究を行った報告書を発表した。本報告書は、自然関連問題に関する民間セクターの評価と情報開示のアプローチにおける主要な方法論的・概念的傾向を概観している。
分析対象となったフレームワークは以下の通り。
- CDP情報開示システム
- 欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)
- グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)基準
- 国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)基準
- 自然資本プロトコル
- 科学的根拠に基づく目標ネットワーク(SBTN)の目標設定ガイダンス
- 自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フレームワーク
これらのアプローチは、開示、アセスメント、目標設定など、その具体的な目的が様々であり、その内容も様々である。本レポートは、目的の違いに関連する相違点を指摘しつつ、共通の傾向を浮き彫りにすることを目的としている。
UNEP FIとUNEP-WCMCは、すべてのアプローチが将来的な更新を計画しているため、異なるアプローチの具体的な推奨事項や要求事項が変更される可能性があるとし、自主的な情報開示要件から義務的な情報開示要件への移行は今後も続くと言及。両者は、本報告書で強調された傾向の進展と、各アプローチとその整合性を強化する上での課題をさらに理解するため、検討されたアプローチを比較する今後の調査を継続する予定。
【参照ページ】
(原文)Accountability for Nature: Comparison of Nature-related Assessment and Disclosure Frameworks and Standards
(日本語参考訳)UNEP FI、自然関連情報開示のフレームワークを比較