12月22日、米財務省と内国歳入庁(IRS)がインフレ抑制法(IRA)に基づくクリーン水素製造減税のルール案を公表した。本案に基づき、水素製造プロセスの二酸化炭素排出率に応じて段階的な控除が行われる。既に発表されていた労働基準を満たす水素製造施設に対しては、水素製造のライフサイクル排出量に応じて最低0.60米ドルから最高3米ドルまでの減税が適用される。
ライフサイクル排出量の算定には、「45VH2-GREETモデル」が使用され、第三者検証も義務付けられる。モデルでカバーできない製法や原料の場合は、財務長官に類似の暫定排出率を申請することが可能である。
再生可能エネルギー等のグリーン水素の生産に関しては、電源証明(EAC)を用いた場合に3つの条件が課される。これには追加性、地理的相関性、および時間的相関性(同時性)が含まれる。さらに、再生可能天然ガスを使用したガス改質での水素生産についても、再生可能天然ガス(RNG)と逃散性メタンを利用した水素製造経路を追加的に適格とする規則が最終化される予定で、パブリックコメントが求められている。
【参照ページ】
(原文)U.S. Department of the Treasury, IRS Release Guidance on Hydrogen Production Credit to Drive American Innovation and Strengthen Energy Security
(日本語参考訳)米国財務省とIRS、米国のイノベーションを促進しエネルギー安全保障を強化するための水素製造クレジットに関するガイダンスを発表