CBI、農業・食料バリューチェーン企業向けの「森林破壊・農地転換ゼロ調達基準」を発表

12月22日、 国際グリーンボンド基準策定NGOである気候債券イニシアティブ(CBI)は、農業・食料バリューチェーン企業向けの「森林破壊・農地転換ゼロ調達基準」案を発表した。本基準は、2024年2月5日までパブリックコメントを受け付け、EUの森林破壊・森林劣化規則(EUDR)が2024年12月30日から適用されることを考慮して開発された。

主な特徴は以下の通りである。

  1. 調達ガイドライン:企業に対し、農産物調達戦略を森林破壊と転換の防止目標に合致させる基準を提示。
  2. 期限付き目標:製品の森林伐採やその他の生態系の転換に関連する段階的な廃止スケジュールを設定。
  3. トレーサビリティと情報開示:トレーサビリティと情報開示のための強固なメカニズムを提示。
  4. 方針の一貫性:EUDRとの整合性確保。
  5. 包括的観点:環境問題だけでなく、社会的要素も含めた包括的な視点。

本基準は、原材料生産企業だけでなく、食品加工、小売、貿易事業者まで、農産物を扱うあらゆる事業者に適用できるように設計されている。パブリックコメントを通じて、これらの基準が広く受け入れられ、企業が森林破壊の防止に向けて取り組む手助けとなることが期待されている。

【参照ページ】
(原文)New Climate Bonds Criteria for Deforestation and Conversion-Free Sourcing by Agri-Food Entities
(日本語参考訳)農業食品事業体による森林破壊と転換を伴わない調達に関する新たなクライメート・ボンド基準

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る